住まいの契約や解約、更新のトラブル

契約が済んでしまったら解約ができない?

賃貸住宅への入居契約が正式に発生するのは、入居契約書を正式に交わし双方の署名捺印をして重要事項の説明を受けてからです。
契約時にはいつまでに敷金・礼金・仲介手数料など必要な経費をどうやって支払うかということも定められます。

しかし当初は予定通りに入居をする予定であった人が、何らかの事情によって取り消しをしなければいけないこともあります。
そうした時には残念ながら先に支払った金額の全てが返金されるというわけではありません。

契約前であれば事前にいくらかの金額を振込をしていても、キャンセルをすることで契約そのものがなかったとして契約前の状態に双方の関係を戻すことができます。

逆に一旦契約を正式に交わしてしまったあとには、キャンセルを申し出もそれは無効扱いではなく「解約」という扱いになるので、入居をした場合に当然に発生していた費用分について返金されることはありません。

仮に入居の直前に解約をすることになった場合、入居日前までに敷金・礼金・仲介手数料・家賃1ヶ月分の前払い・損害保険料とその他諸経費が支払われます。

このうち全額返却をされるのは敷金のみで、他の分は全く返金なしというふうになってしまうことがほとんどです。
もちろん事前に行ったハウスクリーニング費用や鍵交換費などについても返金はないものと思っておいた方がよいでしょう。

賃貸の契約更新におけるトラブル事例

賃貸住宅契約でこじれやすいトラブルとして挙げられるのが契約更新に関するものです。
賃貸契約はほとんどの物件で2年毎に更新をするものとなっているので、入居をして2年が経過したところでもう2年間契約を延長するかという話し合いがされることになります。

通常は契約更新は自動的にされることとなっているのですが、急激に人口が増加をしたり地価が高騰している場所においては契約更新を拒否されたり、家賃を大幅に上げられたりすることがあります。

実際に弁護士などに相談されたケースとしても「契約を更新するときに家賃を5000円上げる」「家賃値上げに同意できないなら契約は終了となる」「契約を更新しないなら期日までに退去すること」といった条件を一方的に突きつけられたといったことがあります。

こうした契約更新と退去の申し出は法的には問題がなく、「契約期間満了の6ヶ月前まで」にされているならば有効です。
しかし借地借家法では契約条件の変更は借主・貸主双方の話し合いと合意によって定めるものとなっているので、一方的な条件変更はできません。

もし異論がある場合にはそのことを大家側に告げることにより、条件を一方的に履行させるのを防ぐことができます。